謎だらけのハーブチンキ

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良いハーブチンキを作るために

ハーブチンキをご存知でしょうか?

アロマティンクチャーと呼ばれたりもします。

ちょっとした遮光性の瓶に入っている液体でこんな形をしています。

このチンキはアメリカやイギリスではPMS・更年期のセルフメディケーションとして非常にポピュラーですが、日本での認知度はまだまだ低いですね。

ハーブティーやサプリメントと比較して、あらゆる成分が非常に高濃度です。

飲み物に入れたり、舌下に垂らしたりすることで効率的にハーブの成分を摂ることができます。

写真の通りHARE BAREもチェストベリーやブラックコホシュのチンキを作っています。

日本で自社製造しているのが他社さんにあるかわかりませんが、お客さまに出せるチンキをつくるのはなかなかに難しい挑戦でした。

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ハーブチンキの作り方

作り方を簡単にご説明します。

例えばチェストベリーのチンキの場合、チェストベリーをアルコールに長時間浸します。

アルコールによってハーブの成分を効率的に抽出するわけですね。

そしてほどよく成分がアルコールに溶けたところで、特殊な器械でアルコールだけを飛ばします。(あとで重要)

海外ではアルコールそのままといった製品も多いのですが、日本向けにアルコールを飛ばしています。

そして最終的にグリセリンという人間の体内にもある安全性の高い液体に成分を移して製品が完成します。

ただし、このチンキは100%ではありません。

完璧なチンキは謎だらけ

チンキの製造方法の過程でアルコールを飛ばす工程があります。

実はこの過程で一部ですが成分が飛んでしまいます。

もっと言いますと、アルコール抽出だけではうまく出てこない成分もあるわけです。

すると抽出方法を変えて、それぞれの成分を分析して、必要に応じて合わせる作業が必要となります。

そしてここでぶつかるのが「何が必要か?」という点です。

ハーブはなぜ効くのかわかっていない

チェストベリーの場合、主要な成分はある程度判明しています。

フラボノイド:Casticin, Isoorientin,Chrysoplenol-D

イリドイド配糖体:Agnuside, Aucubin

ジテルペン類:6β, 7β-diacetoxy-13-hydroxy-labda-8,Vitexilactone

精油:Sabinen, α-pinene, β-pinene

脂肪酸類:リノレン、オレイン、ステアリン、パルチミン

一部抜粋ですがこの辺りはわかっています。

じゃあ何が効いているの?という答えは実はまだわかっていません。

海外の文献にも完璧な情報はありません。

何かが単体で効いているかもしれませんし、複合的に効いている可能性もあります。

アルコールで抽出したチンキを成分分析すると、こんなデータが出てきます。

この下に更に20個くらい続くので割愛していますが、精油関連の成分がとんでもなく出ます。

ちなみに自慢じゃないですが、他社のチンキはここまで出ませんでした。自慢じゃないですよ。本当に。ただちょっとすごいねって。

そんなわけでここから必要であろう成分を推測するのは本当に難しいわけです。

正直いいますと、この分子すらなんだかわからないレベルです。

そんなものが大量にあるわけですから、本当にPMSに効くチンキを作ることに挫折しかけました。

助けてくれる人を探しました

もう本当にどうしようもなかったので、ほうぼうに泣きついて助けてくれる人を探しました。

いませんでした…

そもそもハーブのディープなところに詳しい人は日本に極めて少数です。

ハーブの本場、イギリスの会社でも分析はしないようです。本当に詳しくやっているのはドイツのハーブ局とオーストラリアの会社と…など数えられる程度です。

私たちのやっていることはアロマ検定に出るわけでもありませんし、必要な人間以外には知る必要もないことかもしれません。

チェストベリーやブラックコホシュはどちらかというとマニアックなハーブです。

ですがプライドにかけてどうしても、どげんかせんといかんワケです。

なんとか足掻いた結果、製薬会社の知人に無理を言って、某大学の薬学教授を紹介していただきました。

ですが、基本は生薬を研究されている方です。手伝っていただけるかどうかわからない状況…

とりあえず熱意だけは伝えようと勇んで研究室へ向かいました。

教授「なんでそこまでやるの?」

HA「世界一のものを作りたいんです!」

教授「へぇ…」

教授には寄付金次第で協力していただけることになりました。

可能な範囲で最高の成分を

大学の研究室ですべてのデータを分析してもらい、必要であろう成分を割り出しました。

これには生薬などの過去のデータも使用しました。

その情報をもとに、様々な抽出方法のハーブチンキをブレンドします。

そうしてようやく、PMSなどの気分障害にもっとも効率的であろうチェストベリーのハーブチンキが完成しました。

ハーブは突き詰めると謎だらけ

よくハーブの教科書に「これに効きます!」と書いてありますが、なぜ効くのかわかっているものは多くありません。

伝統的に使用されているからそうなんだろうね。という話がほとんどで、最近になって定説がひっくり返されるということも結構あります。

でもハーブに治癒力や効能があることは間違いありません。

あまり深く突っ込むとパンドラの箱を開けた気分になってしまいますが、得意分野のハーブだけは、どこにも負けない情報を持っていたいなと思う今日このごろです。

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MIYAMOTO

MIYAMOTO

女性のホルモンをハーブで整える研究をしています。 HARE BAREのMANAGERです。 趣味は料理とウォーキングで、野菜中心の生活に2018/02/13から変えました。 NAPS(国際PMS協会)研究会員 NAMS(北アメリカ更年期協会)研究会員
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